☆*゚真珠のつき世界☆*゚

面白く生きたい!ただそれだけです。面倒な話題はできるだけしたくないと思っています。

『すらすら読める伊勢物語』高橋睦郎

「むかし、男ありけり」で有名な
伊勢物語です。
初心者なので、分かりやすそうな
本を選びました。


高校生の頃から、好きな歌・詩を
集めたノートがあります。
その中に


行く水に数かくよりもはかなきは
       思はぬ人を思ふなりけり


と書いていました。
なんと、伊勢物語の中の歌でした。


前後があるので、紹介したと思います。


***


第五十段
あだくらべ


(かつて、男がいた。
男のつれなさを恨む女を逆に恨むふりの歌を詠んで、)


むかし、男ありけり。
恨むる人を恨みて、


男 
鳥の子を十づつ十は重ぬとも
       思はぬ人を思ふものかは



朝露は消えのこりてもありぬべし
       誰かこの世を頼みはつべき



吹く風に去年の桜は散らずとも
       あな頼みがた人の心は



行く水に数かくよりもはかなきは
       思はぬ人を思ふなりけり



行く水と過ぐるよはひと散る花と
       いづれ待ててふことを聞くらむ


あだくらべかたみにしける、男、女の、
忍びありきしけることなるべし。


(浮気くらべをおたがいにしていた男と女が
相手の目からかくれてほかに通っていた折
のことなのだろう。 )



ありがとうございました。