有吉佐和子についてPart3
『芝桜』の続編が『木瓜の花』です。
少し、ネタばれ
初めてこの本を読んだのは、20代の時でした。
有吉佐和子の本で、1番興味を持ったのがこの本だと思います。
花柳界の世界を女の立場から書いたものを、あまり知らなかったので、
ドキドキしながら読んだ記憶があります。
とにかく正子が、なぜ嫌いながら蔦代から離れられないのか分かりませんでした。
長いことこの本を開くことがなかったのに、やはりそれは変わりませんでした。
女同志って、そういう関係ってありそうですよね。私は、ありませんでしたけど。
世話をしてもらえる旦那が出来てから、役者に熱を上げた、
その後、あまりパッとしない男と結婚した。
そして料理屋を始めることになりますが、苦労しながらも順調に進んでいきます。
蔦代はというと、奔放な生き方で成功を手にしていきます。
信心深いというのは人として生きていくのに大切なことのように書かれています。
作者は、キリスト教ですが、蔦代は仏教です。
信心というのは、どんな宗教でも同じものだと感じました。あんな奔放な生き方をしても、成功していくのは信心深いおかげだったのでしょうか。
とにかくいろんな見方ができる作品だと思います。
最初に芝桜を買って、金魚すくいで死んだ金魚をおじさんから供養するともらって、なにをするかと思います。
芝桜の下に金魚を埋めるとは・・・。
でも、これも信心深い蔦代の考えることなのでしょうか。
金魚は死んでからも芝桜の身になるわけです。
蔦代は、正子のやることがわかっているように、いいタイミングで現れたりします。
ほんとうに不思議としか言いようがありません。そこがこの小説のおもしろいところなのです。
あまりに自分の心を読まれる人には近づきたくはないはず。
正子も機会があると蔦代と絶交します。
それなのになぜかまた現れるんです。
不思議な因縁としか言いようがありません。
最後にふたりで、心残りだというセリフが出てきます。
『芝桜』『木瓜の花』女性にお勧めです。
先日結婚したダンナの姪っ子に昨年この本をプレゼントしました。
何かを感じて結婚を考えてくれたのか??
それは分かりません。
ありがとうございました。
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